ちょっと、随想風のフィクションもいいかな、と思う。


近江路は懐かしいようで遠い。

少年のころ乗っていた快速電車が
開通したばかりの湖西線まで行くのか
行き先が堅田という耳慣れぬ地名で
ぼうっとした、遠くのくに、という響き以外には
まるで想像の働かぬ 記憶があるのみである。


一方で
琵琶湖バレーだとか
竜王スケートセンターとか
下世話な宣伝文句は妙に口につくのであった。

むろん歴史に登場する
様々な存在、近江京だの瀬田の唐橋だの
六角氏だとか
浅井朝倉氏だとか
安土城や長浜城 
歴史小説やドラマではよく知っているつもりになる。


しかし
人生を振り返ってみると
現在の滋賀県に降り立ったことは数えるほどしかない。


日本の古代、中世から
王城の地の周辺でなにかを見てきた風景を
確かめに行きたくなった。


そんなことから
ある、初夏のころ
京都から湖東の地に向かうことになる。 


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