谷啓さんがなくなった。


その日の明け方

夢を見た。


夢だから支離滅裂で


加藤さんという人のうちにいる。

なぜ加藤さんのうちなのかわからない。

でも加藤さんはもうそこにはいなくて・・・・


それは古い大きな家で

ちょっと薄暗い茶の間がある。


そこに

どういうわけだか

岳父の渡辺晋が座っている。



生前にお会いしたことがないので

なんとなくぼんやりしているが

ニコニコしていることだけは

わかる。


妻がちょっと泣きながら

そして、ちょっと怒った感じで

このうちが

なくなってしまうんだよ

パパ。・・・


それでいいの?

父に言っているのだが


その渡辺晋と思われる人物は

どういうわけか

やはり、ニコニコして


仕方がないんだよ

ふるいものは

いずれは

なくなっていくんだ・・・


それは悲しいことじゃないんだよと告げる。


ボクは

その様子を

横でみているのだが

部屋がどんどん

かたづけられていくので


なんとか

この家の様子を記憶に留めようと

ほかの部屋を見に行くのだった。



それが

なんで加藤さんのうちなのか

わからない(夢だからね)



不思議な夢に

目が覚めて

早朝6時ころに

この話を横に寝ていた妻にした。


それから

数時間ののち

谷さんの訃報が届いた。


あれは

仲間を迎えにきたついでに

夢によってくれたのだったのだろうか。


渡辺晋も、ハナさんも、植木さんも、安田さんも

みんな向こうで再会をしたのだろうか。


笑う犬が

ゴールデンタイムに進出した時に

谷さんにジャズマンとして

番組のナビゲーションをお願いした。


カッコ良かった・・・


そこにいるだけで笑いと音楽の

幸せな結婚生活を感じさせる方だった。


シャイで偉ぶらず尊敬できる方だった。



葬儀の時

桜井センリさんが

長いこと一緒だったからまだわからないね~


悲しいのは

これからだね・・・・


クレージーキャッツの

長い歩みを思い出すように

おっしゃったのが印象的だった。